Saturday 15 June 2019
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huffingtonpost - 5 days ago

「わたし、定時で帰ります。」ドラマが問う、働くこと。 プロデューサーの新井順子さん、Superfly・越智志帆さんに聞いた。

放送中のドラマ「わたし、定時で帰ります。」(TBS系列、火曜夜10時)が話題だ。朱野帰子さんの小説が原作。吉高由里子さん演じる主人公の東山結衣は、中堅社員。かつて過労による事故で意識不明の重体となったことから、「残業ゼロ」をモットーとしている。結衣を取り巻くのは、新人に厳しく当たりすぎて反発される同僚、子育てとの両立に苦しむワーキングマザー、ハラスメント体質の取引先、実力が伴わず不貞腐れる新人、赤字案件を取ってきて業務量を増やす上司 。そんなメンバーが引き起こす、職場の「あるある」な揉め事。それぞれ、自分の信念や正義に基づいて行動しているから悩ましい。多様性の時代と言うのは簡単でも、様々な背景や考えを持つ人々がチームとして「働く」ことは、こんなに難しいのかと考えさせられる。プロデューサーの新井順子さん(TBSスパークル)、「Ambitious」(6月12日発売)を主題歌として書き下ろししたSuperflyの越智志帆さんは、共に、制作にあたって、今の時代にとっての「働くこと」と徹底的に向き合ったという。2人に、話を聞いた。 「普通の人生であっても」プロデューサー・新井順子さんプロデューサーの新井順子さんは「アンナチュラル」「中学聖日記」など近年の超人気ドラマを手がけるプロデューサー。制作現場にも容赦なく押し寄せる「働き方改革」の波には、複雑な思いも抱えているのだという。私たちの業界は非常に特殊な働き方で、私自身はずっとモーレツに働いてきた。でも、こんな業界でも、時代が変わった。「働き方」について考えなくてはいけないっていうことを強烈に感じているんですよ。ADの人数が突然、倍になったり、休みのシフトを細かく組むようになったり。でも追加業務が発生して、私のような中間管理職にとっては、そのしわ寄せで逆に大変だったりもして。ある意味、生きづらい時代だなと思うこともあります。「リアル」な職場の描写に、自分の境遇を重ね合わせる視聴者も多い。このドラマは、基本的にビックリするような特別なことは起こらないんです。日常を切り取っているので、すべては普通の働く人が「ありそう〜」と感じることが大事だと思っています。結衣ちゃんが何かを主張するときも「●●だよ!」ではなく「●●じゃないかなぁ〜?」。ガムシャラな20代を過ぎて30代に入って、周囲のこともよく見えるようになって、色々と別の悩みが出てくる。不条理に立ち向かうんじゃなくて、当たり障りなくうまくその場を切り抜けるような そういう控えめなヒロイン像を目指しました。「バランサー型ヒロイン」なんて呼ばれているようです。 結衣は、仕事が終わると中華料理店に出向き、ささやかにビールと小籠包で乾杯するのが楽しみだ。「才能ないし夢もないし楽しみもない」と嘆く後輩エンジニアの吾妻に結衣はこう語る。私たちには給料日がある。私はそれを楽しみに生きてるよ。定時で帰ってビール飲んで、ドラマ観て、好きな人とおしゃべりして 。そういう時間を楽しめたらそれでいいかなって。その程度かと言われるかもしれないけれど、私にとってそれが一番の幸せだから。肩の力が抜けた主人公像に、どんなメッセージを込めたのか。 「別に頑張らなくてもいいのかな」とか、「普通の人生であっても、自分なりの楽しさがあればそれでいいのかな」とか。そういう風に思って、気持ちが軽くなってくれたらいいなと思います。ただ、悩みを話せる人がそばにいるかどうかはとても大事ですよね。結衣ちゃんは同僚たちにも「あなたはキャラが面白いからそれでいいんじゃない?」「無理しないで、次行こう!」って。サッパリしてるけど、人って周りの人に声をかけてもらうことで、救われることって多いと思うんです。物語が終盤に向かっていく中で、結衣はだんたんと、モットーにしてきた「定時で帰る」ことが難しくなっていく。仕事をプライベートと切り離すことに力を注いできたヒロインの結衣だったが、徐々に仕事が私生活に侵食。そこで恋人との関係も変わっていく予感 。 最初は仕事とプライベート、バサッと分けていたんですよ。だけど、現実的に、そううまく行かなくなることだってある。もともと結衣ちゃんは「定時に帰る」だけで、やるべき仕事はしっかり終わらせる、責任感のある子。「やる時はやるよ」と言ってますし。でもついに、その時が来てしまうんですね。チームの誰かのためなら頑張れる。大切な人を守らなくてはいけない時には辛い道を選ぶこともある。この先結衣がどうなるかは、ぜひ放送を見て頂きたいですが、責任感のあるヒロインにはしています。それは、私達の願望でもありますね。

「ただどこかに飛び込んでみる」Superfly・越智志帆さん働き方・生き方が多様になっている時代。バラバラに切り離された個人の時代に、誰もが応援されたと感じるような曲は、もはや存在し得ないのかもしれない。それでも、見ている大勢の視聴者に寄り添うような曲が求められるのが、テレビドラマの世界だ。

主題歌を手がけたSuperfly・越智志帆さんもまた、制作にあたっては、多くの人に話を聞き、考え抜いたのだという。また、自身の「働き方」についても見つめなおす出来事があった。私はどこかに勤めた経験もないのですが、誰でも何かしら悩んでいたり孤独だったりするのは同じというところから構想を練っていきました。そして、自分自身が子ども時代に「あなたの夢は?」って問われて、すごく嫌だったという思い出が蘇ってきました。夢を見つけて、将来はそれに向かって突き進まないといけないというのは、すごくプレッシャーで。ドラマの中にも「夢がない」と苦しむ登場人物も出てきますよね。でも、極端に言えば、やりたいことや目的なんて何もなくてもいい。自分が生きていくためだって別にいい。ただどこかに飛び込んでみることだけは、怖がらずにやったらいいんじゃないかな?そうすれば、タイミングが訪れることもあるんじゃないかな?そういう応援歌にしました。越智さん自身は「働くこと」をどう捉えているのだろうか?私の場合は、幼い頃からの好きなことがたまたま仕事になっているんです。コミュニケーションが苦手で、本音を言えなくてもどかしい気持ちがあって。でも歌ってみた時に溜まっていたものがスーッと外に出ていく感覚があったんです。だから曲を作ったりすることに「働く」という感覚は全然ないんですが、例えばツアーをするのであれば、やり遂げるには責任が発生する。そういう部分では「仕事」なのかもしれませんし、私の場合は何よりも「好き」という気持ちを維持するための自己管理がすごく大切なんです。越智さん自身も、体調不良でパフォーマンスを休んでいた時期がある。2016年夏にライブ活動を休止し、2017年末に復帰。復帰後初めてとなるテレビでのステージは、NHKの紅白歌合戦だった。髪をバッサリと切った姿での圧巻のパフォーマンスは、Superflyが新しいステージに入ったことを知らしめた。活動を長く続けていくうちに、周囲に求められるSuperfly像と、本当は怖がりで、のんびりしている自分とのギャップに苦しむことも増えてきました。こういうのって、会社員の方でもありますよね。あの時は、お休みしたことで、一旦、自分の肩書が何もなくなりました。そのおかげで、復帰した時には、新人の時のようにすごくフラットな状態に戻れたんです。他に何も気になることがなく、湧き上がるエネルギーに集中できる。「気持ちいい。生きている。楽しい」って思いました。お休みして以降は、そういう風に考えこんだりするのも自分だ、と、納得がいったり肯定できるようになることが圧倒的に増えました。「Ambitious」の曲作りでも、「こういう発想にするのはどうかな?」って、アイディアを思いついたり、ひらめいたりした自分を面白いと思えましたね。自分が今好きでここに立っているんだ、自分の意志で今を選んでいるんだっていう感覚を持ち続けるのは、すごく大事なんですけど、考えると難しいですよね。私も行き当たりばったりですけど、何とかやっております。


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