Saturday 20 July 2019
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huffingtonpost - 19 days ago

大阪城天守閣が「忠実に復元された」って安倍首相が言ってたけどホント?

安倍晋三首相が大阪市内で開かれたG20サミットのあいさつで、大阪城の天守閣が「16世紀のものが忠実に復元」されたとして、復元の際にエレベーターを設置したのは「大きなミス」と発言した。これに対して「障がい者への配慮が足りない」などと批判が相次いでいる。一方で、ネット上では「歴史的建造物を忠実に復元する際に、エレベーターを付けるべきではない」として、安倍首相を擁護する意見も出ている。しかし、大阪城の天守閣は安倍首相が言うように「忠実に復元」されているのだろうか。実態を調査してみた。■安倍首相の発言内容安倍首相は、サミット初日の6月28日夜に開かれた夕食会のあいさつで、「ようこそ大阪にいらっしゃいました」と地域の歴史について紹介。NHKニュースによると、その際に次のように述べたという。「大阪のシンボルである大阪城は、最初に16世紀に築城されました。石垣全体や車列が通った大手門は17世紀はじめのものです。150年前の明治維新の混乱で、大阪城の大半は焼失しましたが、天守閣は今から約90年前に、16世紀のものが忠実に復元されました。しかし、1つだけ、大きなミスを犯してしまいました。エレベーターまでつけてしまいました」■「あやしい天守閣」第1位に選ばれたことも。安倍首相は、エレベーター以外は「忠実に復元されました」と胸を張ったが、事実とは異なっている。イカロス出版のムック「あやしい天守閣」(2011年)では、「あやしい天守閣 十傑」というリストを掲載。城マニアの意見を元に、歴史的な姿とほど遠い全国の天守閣風建築のベスト10を挙げている。その第1位に輝いたのが、大阪城だった。豊臣期の大阪城の天守閣は木造だったが、現在のものは鉄筋コンクリート8階建てで、建材が全く違う。戦前の1931年に完成。エレベーターは当時から設置されていた。大阪市役所の公式サイトによると当時、城郭建築の研究は進んでおらず、豊臣氏の大坂城天守閣に関する資料はほとんどなかった。そのため、16世紀の「大坂夏の陣図屏風」に描かれた豊臣時代の天守閣をもとに古川重春氏が設計したという。■屏風絵とも違う姿。漆黒の壁が真っ白に屏風に描かれた天守を元にしているのであれば、当時の姿を再現したもののように思えるが、実際には大きく違っている。前出の「あやしい城」は、現在の天守閣と、屏風絵との違いを以下のように述べている。<たとえば1層目と3層目の南北方向にある入母屋破風と、2層目東西方向にある千鳥破風は、絵と違ってそれぞれ上層の屋根を突き抜けている。現在の天守の破風のほうが、若干大げさなデザインといえよう。各階の高さをバランスよくそろえるため、このような構造になったのだ>  <さらに、屏風絵の天守が真っ黒な姿なのに、現在のそれは全体を白漆喰の塗り壁としている。漆黒の天守が白亜の天守に変化してしまったわけで、これは屏風絵と比べてみても明らかだ。復興にあたって、「黒塗りより、白亜の天守閣の方が見栄えがええやろ!」ということで、現在のような外壁にしたものと思われる>■天守閣の場所も違う外見だけでも大きな違いがあるのだが、「あやしい天守閣」ではさらに致命的な違いを挙げている。実は、現在の天守閣の場所は、豊臣時代に天守閣があった場所と異なっているのだ。<秀吉時代に大坂城は徹底的に破壊され、埋め立てられ、その上に築かれたのが現在見ることのできる大坂城なのだ。建物はもちろん、石垣、堀、縄張にいたるまで、豊臣のなごりは一切残されなかった。もちろん、秀吉の築いた天守が立っていた天守台も徳川期の再建事業で破壊埋却。というわけで、現在の天守閣が立つ天守台は、秀忠が命じて築かせたものだ> こうした事実は、昭和期に大阪城天守閣が建設された当時は、知られていなかった。鉄筋コンクリートの天守閣が建設されてから28年後の1959年の学術調査で、本丸の地下から豊臣期の古い石垣が発見。ここで初めて、現在の大阪城の城郭が豊臣期とは全く違うことが明らかになったという。 ■つまり・・・現在の大阪城天守閣は、徳川期の天守台の上に、豊臣期の天守閣をモチーフにして壁の色や屋根のレイアウトを変えるなど独自のアレンジを加えて、鉄筋コンクリートで作られたものだった。もし歴史的な建造物であればエレベーターの設置の是非が問われるのも分かる。しかし、現在の大阪城天守閣に関しては、エレベーターがあることで歴史的な意義が問われることはなさそうだ。


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