Thursday 18 July 2019
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huffingtonpost - 10 days ago

「部下への振り返りがうまくできない…」OSTで知らない人に相談したら、リアルなフィードバックが返ってきた

悩みを相談すると、周囲から 熱い フィードバックをもらえるワークショップが、1月11日、エンジニア向けのイベント「Regional Scrum Gathering Tokyo(RSGT)」で行われた。相談に乗ってくれるのは、ほぼ初対面の赤の他人。にもかかわらず、持ち込まれる相談に、周りの参加者が責任と情熱を持って一緒に考えてくれる 仕組み があるのが特徴だ。 ワークショップに参加したのは、約200人。社員のモチベーションを上げるには、何をすればよいか?エンジニアにビジネス思考を身に着けてもらうには地方で開発の請負仕事をしているんだけど、首都圏にいる仕事の発注者との溝に悩んでいる業務委託の方にも、自社のビジネスの考え方をうまく共有したいなど、25件ほどの相談がイベントに持ち込まれた。これらの相談が、どのようにワークショップで展開されたか、その一例を紹介しよう。「部下への振り返りがうまくできない」と相談してみたら...ある30代の会社経営者は、「部下への振り返りがうまくできない」という相談を持ち込んだ。良かれと思って部下にフィードバックしたのだが、うまく伝えられなかったのだという。この相談のグループには、入れ代わり立ち代わり約20人が集まり、解決のアイデアを出し合った。自分自身も部下へのフィードバック方法に悩んでいる20代の女性や、長年部門を率いている50代の部長職の人など、年代も経験もバラバラなのだが、冒頭に参加者の自己紹介などはなく、相談の内容を聞いた参加者らは、まず自分の体験を話し始めた。「私はフィードバックで次の3つを含めるようにしています。・行動そのもの・その行動による影響・その人に期待していることこれをセットで話すことで、フィードバックの意義を伝えられるようになりました」「1対1でのフィードバックではなく、みんなの前でフィードバックをしなくてはいけないときもありますよね。 例えば、他の人もやりそうなミスだったり、大きな事故に繋がりそうなミスだったりしたとき。翌日の朝礼でミスがあったとみんなに伝えるのですが、私は、ミスをした人を褒めるようにしています。『よく最初に事例を作ってくれたね』という感じです。そのうえで、どうすればミスはなくなるかを考えてもらいます」実は、この相談のセッションは、特別な進行の型式があるわけではない。しかし、誰かが話し始めると、他の参加者からも、気付きや新たな質問、自分の持っている課題がシェアされ始める。「ネガティブなことばかりではなく、ポジティブなコメントをすることも、フィードバックだよね」「行動に対する期待が、フィードバック する 側と される 側でずれていることが、よくあります」「フィードバックされる側にも、フィードバックしてほしいことを事前に言ってもらってもいいかも」「入社したばかりの人とか、フィードバックに慣れていない人にフィードバックしなくてはいけない時に、何か工夫していることはありますか?」「フィードバックに慣れてもらうために、2日に1回の頻度でやってみています。ただし1回10分とか短い時間にしてます」「フィードバックのときに使う 言葉 の基準をすり合わせるのが難しいです。 例えば、『これをやってはダメ』と言いたいときに、『ダメ』の影響度が、大事故につながる『ダメ』なのか、ちょっと作業が複雑になるからというような『ダメ』なのか、同じ『ダメ』でも違いますよね。ただ単に『ダメ』というだけではダメなんですよね」これら1つ1つの発言が付箋に書き込まれ、模造紙にまとめられていった。対話が深まり、相談のだいたいの目安とされていた30分という時間が、あっという間に経過した。初対面の相手でも盛り上がる「OST」とは?今回紹介したワークショップでは、「オープン・スペース・テクノロジー(OST)」と呼ばれる手法が使われた。OSTは1985年にハリソン・オーウェン氏によって提唱されたワークショップの形式だ。何を相談するかや、進行の段取り、参加人数は特に決められておらず、参加者に任せている。個人の主体性を重視しているためなのだが、最も特徴的なのが、相談のグループへの参加者の出入りが自由だということだ。相談を持ち込みたい人は、一緒に考えてくれる人はいないかとアピール。参加者らはそれらの相談のなかから、自分が貢献できると思ったり、興味があったりする相談のグループに加わるのだが、加わらずに他のことをしていてもいい。また、参加してみて、自分が貢献できないと感じたり、つまらないと感じたら、途中で席を立つ自由も認められている。相談を持ち込んで参加者を招致した人は、他に行かないでと止めることはできない。この、参加自由・出入り自由という点は、「関心があるテーマが他にないから、仕方なくこのグループに参加した」という 言い訳 ができないとも言えるだろう。自然と参加者も、熱意をもって参加するようになるのだ。今回のRSGTのように、初対面の人が多いOSTもあるが、もちろん、社内など知っている人だけでのOSTを実施してもOK。誰かに言われて参加するのではなく、自主的に参加することが大切だ。RSGTの主催者によると、例年、OSTをイベントに組み込んでいるという。RSGT実行委員会メンバーが、北米の本家イベント「Global Scrum Gathering(SG)」でOSTのワークショップを経験。様々な出会いや気づきを体験できたことから、日本のイベントでも実施するようになった。世界各地で行われるSGのイベントでは、OSTは人気セッションになっているのだという。参加者はどのように感じているのだろうか。聞いてみると、「うちは社員が少なくて会社には相談相手がいない。仕事の関わりがない人に、ざっくばらんに相談する機会があってありがたかった」「他の人の事例がたくさん聞けた」「参加したテーブルは少人数だったけど、ひとりひとりの話が深く聞けた。繋がりができたので、今後もまた相談したい」「自分の発言が、役に立つと言ってもらえた。嬉しい」など、様々な感想が出た。「部下への振り返り」について相談した参加者は、これまでにもフィードバックの方法に関する書籍をたくさん読んでいたというが、現場の知恵を得たかったので相談してみたのだと話してくれた。「本を読んで理解したつもりでしたが、本には書かれていない多くの収穫がありました。例えば、振り返りの際に3つのことを取り入れる ビヘイビア・ベースド・フィードバック というキーワードを知ることができました。『読んだ本のあそことここに書かれていた』というバラバラの情報を、一つに整理して再構築できました。振り返りをする相手から、フィードバックしてもらいたい内容を聞くとか、ちょっとした振り返りを積み上げていくなど、実際に使えそうなアイデアもありました。相談前に期待していた以上の内容が得られたと思います」--何かを誰かに相談したいと思ったときに、200人もの人に質問できる機会はなかなかないのではないか。初対面でも打ちとける。聞いている側も、思わず自分のことを話したくなる。他の会社の若者が持つ悩みを、自社の若手の悩みに置き換えて考えてみたりもできる。取材をしながら、私自身も相談セッションに夢中になっていた。またどこかのOSTに、参加してみたい。


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