Wednesday 21 November 2018
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huffingtonpost - 12 days ago

ネット通販の「在庫あり」の表示からかいま見える、売り手の態度。 (及川修平 司法書士)

インターネット通販は今や日常生活には欠かせないものとなっている。私もよくネット通販を利用しているが、ときに思わぬトラブルになることもある。度々あるのは、サイト上では「在庫あり」「即日発送」と書かれているのに、いざ注文をしてみると「メーカーからの取り寄せ商品となります」と連絡が入り、商品の到着まで時間がかかるケースだ。この「在庫あり」という表記、店舗によっては当てにならないので注意が必要だ。■「在庫あり」が間違っていた場合はキャンセルできるか?
サイトによっては「注文後のキャンセルは一切受け付けておりません」と書かれていることも多い。ネット通販も契約の一種だ。契約上キャンセルはできないと明記している以上、キャンセルは一切できないと思いがちだが、そのようなことはない。事情によっては一定のステップを踏むことで契約の解除は可能だ。そもそもキャンセル禁止の規定は、注文者側の事情によって発注を取りやめたい場合に適用されるものだ。例えばあるネットショップのサイトで注文をしてみたが別のショップではもっと安く売っていた、契約をキャンセルして安いところで買おうという場合が該当する。注文をキャンセルするのはあくまで自分の都合によるものであって、このようなケースで自由にキャンセルを許していると、販売業者としてもたまったものではない。しかしネット通販事業者が誤った表示をしていることが原因である場合は、業者側が契約内容を守っていないことになるので、責任は業者側にある。このようなケースまで「キャンセル禁止」として事業者を保護する理由はなく、契約の解除は可能である。多くの事業者では「即日発送」の条件を守れないケースでは、速やかに注文のキャンセルに応じてくれるだろうが、キャンセルに応じないといわれた場合はどのように対処すればよいだろうか。■トラブルになりそうなときは速やかに契約の解除を
商品を即日発送することが契約の内容となっているのに、実は在庫がなくメーカーから取り寄せしていると納期に間に合わない場合は、言い換えれば契約の履行が遅れている状態といえる。契約で決まった日を遅れている場合は、まず履行を促し、それでも実行されない場合に契約を解除するというステップを踏むことになる。先ほどの例で言えば「○日以内に商品を届けてください。商品の到着がない場合は契約を解除します」という通知をまず送る必要があるのだ。ではいつまで待てばよいかということだが、もともと即日に発送するはずの商品であるので、通常は数日、長くても一週間程度で足りるだろう。■あいまいな「在庫あり・なし」の表記
法律上、ネット通販では商品の引き渡し時期については原則として明記することが求められている。所管する経済産業省では「○日以内」とか「○月○日まで」というように期限が明確になるよう表示するべきだとしている。購入者の立場が不安定になることを防ぐためだ。しかし在庫のありなしについては、法律上、特に表示が求められているものではない。そのためか「在庫」という意味については各業者がそれぞれの解釈で使用していることもある。「『在庫あり』の商品とは、メーカー取り寄せ品も含め注文できる商品を指します」などと、わざわざ注意書きしているサイトを見たことがある。これはもはや在庫ありとは言えないと思うが、このようにサイトによっては在庫に関する表記はあいまいなものも少なくない。■ネット通販の「在庫あり」の表示はルールを作るべきである
「在庫あり」と「取り寄せ品となります」という表記をしている2つの業者があった場合、値段が同じであれば、多くの購入希望者は「在庫あり」の業者を選ぶはずだ。「取り寄せ商品」と書かれると、メーカーから取り寄せて、それから納品になるから実際には時間がかかるのではないかと感じるからだ。このような事情もあり、在庫がないにもかかわらず、あえて「在庫あり」と表記しているのであれば、取引条件を他社よりも有利に見せかけようとする行為であり、問題である。在庫を抱えずに営業をしていて、受注してからメーカーに発注し商品を確保するというスタイルで経営している事業者も少なくない。メーカー自体の在庫状況を常に把握できていればまだしも、そうでない場合に安易に「在庫あり」などと表記していると、冒頭で書いたようなトラブルにつながる。在庫の表記については、商品の発送時期にも影響が出るのは当然のことで、商品の引き渡し時期があいまいになるような表示は止めるべきだ。このように、在庫の表記は細かい話に見えて、実際は事業者が誠実に取引をしているかその姿勢がかいま見えるポイントであり、トラブルの要因にもなる重要な部分でもある。適切な表記をすることによって、購入者が取引条件を確認できる仕組みをしっかり作っていくことが大切である。【関連記事】
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福岡市内に事務所を構える司法書士。住宅に関するトラブル相談を中心にこれまで専門家の支援を受けにくかった少額の事件に取り組む。そのほか地域で暮らす高齢者の支援も積極的に行っている。

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