消費者の価値観や行動(トレンド)は、人口動態や経済、テクノロジー、社会文化などの変化による影響を大きく受ける。企業やクリエイター、ブランドが成長を続けるにあたり、消費者の背景でどのような変化が起きているのかを把握することは必須業務となっている。ロンドンに本社を置く、市場調査会社「ミンテル」は2025年10月9日、2026年の消費者行動を予測する「2026年:グローバル消費者トレンド予測」を発表した。本トレンド予測では、「アンチアルゴリズム」「若さの新定義」「愛情の欠如」の3つを、2026年のグローバル消費者トレンドとして紹介している。その内容を一部抜粋して紹介する。アルゴリズムによる「便利さ」と引き換えに「自由」を失っている?レコメンデーションツールとして誕生したアルゴリズムだが、その拡大によって「生活が本当に便利になったのか、それとも過度な管理により息苦しくなったのか」という疑問を抱く消費者が増えている。本予測では「2030年までには、アルゴリズムの『最適化』の裏側が明らかになり、便利さと自分らしさの間に不均衡が生まれるでしょう」と語られている。また、消費者は個人情報やデータの扱われ方に敏感になり、テクノロジーの透明性が企業やブランドの支持に、より大きな影響を与えるという。今後は、アルゴリズムを消費者自身で調整し、さらには共に作り上げていけるような、「より人間的で直感的な体験」を求めると予測されている。今後の消費者の心を掴むためには、アルゴリズムの力を活かして消費者と「感情的なつながり」を深めるほか、相互的なコミュニケーションを通じて中長期的な信頼や愛着を醸成することが求められそうだ。「ライフステージ」は、より曖昧なものへ平均寿命や健康寿命の延伸に伴い、今後、これまでの年齢の概念にとらわれずに生きる人が増え、人生の中盤がより長く、自由な時代になっていく。予測では「2030年までには、こうした人口構成の変化がはっきりと表れ、教育、資産形成、働き方など、あらゆる分野で大きな見直しが求められる」と説明しており、人生は段階的(ステージごと)に進むものではなく、より流動的で柔軟なものへと変わっていくという。また、消費者の「十分なエネルギーがある今のうちに、経験にお金を使いたい」という、経験に価値を見出す傾向も強まると予測されている。同社は人生の充実を「若い時期だけに求めたり、退職後に先送りしたりするブランドは、長く続く人生の中盤にある多くのチャンスを逃してしまうかもしれません」と説明している。一方で、こうした変化を前向きに支え、消費者が自分らしい生き方を楽しめるようなツールやサービス、ストーリーを生み出すことが重要になると分析している。企業やブランドは「現代の孤独」とどう向き合うべきかSNSやインターネットの普及で人間関係が複雑化し、孤独の認知が難しくなった現代。2030年までには、「注目されること」と「本当に理解されること」の間の溝がより深くなる恐れがあるという。同社は、今日のコミュニケーションの課題について「いまや愛情や関心さえも『コスパ』で測られるようになり、手軽で即時的なオンラインでの交流が、時間をかけて築くリアルなつながりよりも優先されがちです」と説明する。一方、企業やブランドは、人と人との「本当のつながり」を生み出す特別な立場にあるといい、「もし物理的なコミュニティ(企業やブランドのファンや支持者)を守りたいのであれば、『愛情を伝え、受け取ること』のハードルを下げることが、企業にとって最も大切な役割になるでしょう」と提言している。企業やブランドがアプローチできる愛情の形は多岐にわたり、恋愛や家族といった関係に限らず、「コミュニティによる支え」や「ペットとの友情」、「自分を大切にする心」などを通じて、感情的な安心や意味を提供することが重要だという。プレスリリース内で、同社は「2026年以降、世界中の消費者は年齢やライフステージの境界を曖昧にしながら、『自分でコントロールすること』と『創造的であること』のバランスを取り、より自動化が進む社会の中で人とのつながりを求めるようになるとミンテルは予測します」と総括している。Related...TikTokが音大で講義?音楽業界の「才能があっても食べていけない」現状に、新たなキャリアパスを提案「保険」の現在地、世代別でこんなに違う!Z世代、約2人に1人が保険に未加入?【最新調査】住みたい「市区町村」ランキング全国編。鎌倉市や北海道・札幌市をおさえた1位は?...クリックして全文を読む
Thursday 30 October 2025
huffingtonpost - 3 days ago
2026年、消費者の価値はどう変わる?ミンテルがトレンド予測を発表
Hashtags:
2026年、消費者の価値はどう変わる?ミンテルがトレンド予測を発表
|⁞
